研究者の専門知識は、存在するだけでは相談につながらない
研究者には、長年の研究によって蓄積された専門知識があります。
しかし、専門知識があることと、社会から相談されることは同じではありません。
研究者と社会との間には、いくつかの「入口」が必要です。
ここでは、その入口を3つに整理して考えます。
入口1
見つけてもらう
最初の入口は、研究者の存在を見つけてもらうことです。
企業担当者が研究者を探す場合、Google検索、大学サイト、Researchmap、論文検索、LinkedIn、学会、人からの紹介など、さまざまな経路があります。
ここで重要なのは、「自分の名前を知っている人」だけを対象にしないことです。
研究者の名前を知らなくても、課題・技術・専門分野から見つけてもらえる状態を作る必要があります。
入口2
理解してもらう
見つけてもらった次に必要なのが、「この研究者は何ができる人なのか」を理解してもらうことです。
専門用語ばかり、論文一覧だけ、研究分野だけ、最新情報がないという状態では、自分たちの課題と関係があるのかを判断できません。
ここで必要になるのが、社会側から理解できる情報設計です。
入口3
相談してもらう
見つけてもらい、内容を理解してもらっても、最後に相談方法が分からなければ接点は生まれません。
共同研究、技術相談、商品開発、データ分析、講演、研修など、相談可能な内容を具体的に示すことで、「自分たちの相談も対象だ」と判断しやすくなります。
3つの入口はつながっている
- 見つけてもらう
- 理解してもらう
- 相談してもらう
という流れになります。
どれか一つだけでは十分ではありません。
Webサイトは3つの入口をまとめられる
研究者自身のWebサイトには、この3つをまとめることができます。
検索される情報としてResearch / Profile / News、理解される情報としてSocial Implementation / Achievements、相談につながる情報としてConsultation Topics / Contactを置く。
つまりWebサイトは、研究者を紹介するだけの場所ではなく、社会との接点を設計する場所として使うことができます。
SNSは「見つけてもらう」に強い
LinkedInなどのSNSは、最初の入口として非常に有効です。
一方で、過去の研究テーマや実績、相談可能な内容を整理して確認するには、Webサイトの方が適しています。
したがって、SNSで見つけてもらい、Webサイトで理解してもらうという組み合わせも考えられます。
「相談される」は、情報設計から始まる
企業との共同研究や社会実装というと、営業活動やネットワーキングの話になりがちです。
しかしその前に、検索したときに見つかるか、見つかったあとに理解できるか、理解したあとに相談できるかを確認することも必要です。
まとめ
「相談される研究者」になるためには、
- 見つけてもらう
- 理解してもらう
- 相談してもらう
という3つの段階があります。
必要なのは、専門知識と社会との間に、分かりやすい入口をつくること。
それが、研究者の知識を社会へ届ける最初の一歩になります。