「研究分野」は分かっても、「相談できること」が分からない
研究者プロフィールには、よく次のような情報が掲載されています。
AIを研究しています。
高分子材料を専門としています。
地域医療について研究しています。
どれも間違っていません。
しかし企業側から見ると、「では、何を相談できるのか」までは分からないことがあります。
ここでは、研究内容そのものを変えずに、社会側が理解しやすい表現へ変える例を紹介します。
Before/After 01
AI・画像解析
Before
AIを活用した画像解析について研究しています。
After
AI画像解析技術を活用し、製造工程の検査、異常検知、品質評価などに関する共同研究・技術相談に対応できます。
「AI画像解析」という研究分野だけでなく、どの現場で使えるかまで示しています。
Before/After 02
高分子材料
Before
高分子材料の耐久性について研究しています。
After
高分子材料の劣化・耐久性評価に関する知見を活かし、製品寿命評価、材料選定、耐久試験設計などについて企業との共同研究・技術相談に対応できます。
「耐久性研究」を、製品寿命、材料選定、試験設計という企業側の課題に翻訳しています。
Before/After 03
地域医療
Before
地域医療について研究しています。
After
地域医療体制、医療資源配置、医療機関間の連携に関する研究を行っています。自治体・医療機関・事業会社との調査、分析、事業設計に関する相談にも対応できます。
研究領域を、誰と、どのような形で連携できるかまで具体化しています。
Before/After 04
教育・学習
Before
教育方法と学習効果について研究しています。
After
学習行動や教育効果の分析を通じて、研修設計、教育プログラム評価、学習データ分析などに関する相談に対応できます。
「教育研究」を、研修、プログラム評価、データ分析へ接続しています。
Before/After 05
環境・エネルギー
Before
再生可能エネルギーについて研究しています。
After
再生可能エネルギー導入や地域エネルギー政策に関する研究を行っています。自治体や企業の導入計画、地域特性の分析、事業可能性の検討などについて相談できます。
「再生可能エネルギー」という大きなテーマを、実際の意思決定に使える領域へ変えています。
変えているのは「研究」ではなく「入口」
ここで重要なのは、研究内容を企業向けに薄めているわけではないことです。
変えているのは、研究内容そのものではなく、情報の入口です。
研究者が使う言葉と、企業担当者が課題として認識する言葉には、ずれがあります。
その間をつなぐことで、「この研究者なら相談できるかもしれない」という理解が生まれます。
Before/Afterを作る3つの視点
1. どの課題に使えるか
研究分野ではなく、社会・企業側の課題に置き換える。
2. 誰が相談できるか
企業、自治体、医療機関、教育機関など、想定する相手を考える。
3. どのような形で関われるか
共同研究、技術相談、調査、分析、研修、講演、事業設計など、関わり方を明確にする。
Webサイトではさらに深く伝えられる
プロフィールでは、すべてを詳しく説明する必要はありません。
入口として、何を研究しているか、何に活かせるか、何を相談できるかを示し、詳細はResearch、Social Implementation、Achievements、Publicationsへつなげます。
この構造にすると、企業側は必要な深さまで情報を確認できます。
まとめ
研究者プロフィールを「相談したい」に変えるには、研究分野だけを書くのではなく、研究分野+社会で使える場面+相談できる内容へ変えることが重要です。
研究者の専門性はそのまま。社会側が理解できる入口をつくる。
それが、研究者と企業の距離を縮める第一歩になります。