共同研究の前に、まず「相談」があります
企業と研究者の連携というと、共同研究、技術移転、受託研究、産学連携といった大きな取り組みを想像しがちです。
しかし、その前には多くの場合、「一度、話を聞いてみたい」という小さな相談があります。
企業側が最初から共同研究の内容を明確にできているとは限りません。
まだ整理されていない段階の相談も多くあります。
だからこそ、研究者側に必要なのは、共同研究の申込窓口だけではなく、「最初の相談」ができる入口です。
仕組み1
相談できるテーマを見える化する
企業側が研究者を見つけても、何について相談してよいか分からない状態では、問い合わせは起きにくくなります。
そこで有効なのが、相談可能テーマを具体的に示すことです。
例えば、AI・画像解析という研究分野だけでなく、製造工程の画像検査、異常検知、品質評価、画像データ活用、AI導入前の技術検討などを示すと、企業側は自社の課題と結びつけやすくなります。
「研究テーマ」より「相談テーマ」
研究テーマは、何を研究しているかを示す情報。
相談テーマは、何について一緒に考えられるかを示す情報です。
両方を掲載することで、専門性と実務的な接点を同時に伝えられます。
仕組み2
「小さな相談」も歓迎することを伝える
企業担当者が問い合わせをためらう理由の一つに、こんな段階で連絡してよいのだろうかという心理があります。
まだ予算が決まっていない。課題も整理できていない。共同研究になるかどうかも分からない。
そのような状態でも相談可能だと伝えることで、最初の接点を作りやすくなります。
仕組み3
問い合わせ後の流れを見せる
問い合わせボタンがあっても、その後どうなるのか分からないと、企業側は不安になります。
例えば、問い合わせ → 相談内容を確認 → 初回面談 → 必要に応じて共同研究・技術相談等を検討、という程度で十分です。
「問い合わせ=契約」ではないと分かることが重要です。
Web上の「相談導線」を確認する
研究者自身のWebサイトを持っている場合は、相談できるテーマ、誰から相談できるか、相談方法、相談後の流れの4つを確認します。
この4つが揃うと、「相談したい」と思った人が、そのまま行動できる導線になります。
SNSから相談につなげる場合も同じ
SNS → プロフィール → Webサイト → 相談可能テーマ → Contactという導線を作ると、情報発信が相談につながりやすくなります。
SNSは発見の入口。Webサイトは理解と相談の入口です。
「最初の相談」は社会実装の小さな起点
社会実装という言葉は大きく見えます。
しかし実際の始まりは、少し話を聞いてみたいという小さな接点かもしれません。
まとめ
企業と研究者の「最初の相談」を生み出すには、
- 相談できるテーマを見える化する
- 小さな相談でもよいことを伝える
- 問い合わせ後の流れを示す
という3つの仕組みが有効です。
共同研究を増やす前に、相談できる状態をつくる。
そこから企業と研究者の距離は縮まり始めます。